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延焼により全焼してしまった建物の損害賠償の逸失利益として約670万円を認めさせることに成功した事例


<事案の概要>

 依頼者の所有する東京都内の建物が、火事による延焼の被害にあい全焼しました。もともと同建物は、複数の店舗に賃貸しており、一定の賃料収入を得ていました。しかし、この火事の被害により各賃貸借契約は履行不能となり終了となってしまいました。
建物の損害については、ご自身で加入していた火災保険の保険金により填補されましたが、この保険には、各賃料補償分は含まれていませんでした。
そこで、火元であった相手方企業に対し、損害賠償の請求を行うため、当事務所にご相談にみえ、当事務所弁護士がご依頼を受けました。

<解決に至るまで>

 受任後、依頼者と打合せを重ね、損害賠償についての法律構成を検討しました。事案を検討していくと、過去の裁判例の中に、同様の事案において、得られたはずであろう賃料収入の損害賠償を認めないものがありました。この裁判例は、全焼した建物の所有者が、保険会社より建物の損害にかかる保険金を受領した場合、賃料分についてはすでにその建物の保険金の中で評価されていることを理由としていました。
しかし、本件では、依頼者が加入していた火災保険は、あくまでも建物自体の損害を補填するものであり、賃料分の補填については特約扱いとなっていました。そして、今回の建物については当該特約は未加入でした。
そこで、本件では、上記過去の裁判例は当てはまらないと考え、民事調停を経て、民事訴訟を提起しました。
民事訴訟では、過去の裁判例を中心に、損害論の点につき、幾度か主張と反論が繰り返されました。当方としては、賃料補償は特約として別途それ自体保険の商品になっているのであり、それに加入していなかった本件では、火元の企業に対し、不法行為に基づく損害賠償請求が認められてしかるべきである旨主張しました。
最終的に、当方の主張をほぼ認める内容の判決を勝ち取ることができました。判決後、相手方と和解が成立し、解決となりました。

<解決のポイント>

* 同種事案の裁判例が少ない、または不利な裁判例がある場合でも、事案を分析し、適格な法律構成を行い主張・立証することで、当方の主張を認める判決を獲得することができたこと。
* 訴訟については、専門的かつ高度の法的知識と経験が必要になるため、多くの解決実績を有する法律事務所に依頼することが肝要であること。
以上