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マンションの建築請負契約と、サブリース契約を前提としたプロジェクトの進行中に、建築価格の高騰等を理由に、施主が、プロジェクト発案者から、発注価格の増額を求められ、当初見積価格での受注を断られた事案について、契約締結上の信義則違反を理由に、損害賠償請求を認めさせた事例

<事案の概要>

 相談者Xは、株式会社Yから、相続物件を利用して、マンションの建築からその後の賃貸管理を行うという一連のプロジェクトの提案を受けたことから、Yの提案する内容で、マンション事業を行うことを決断しました。

 この一連のプロジェクトは、企画、解体、建築、その後の管理というように、順次契約を締結していく内容となっていましたが、収支の見通しは、初期の企画の段階で示されており、建築に要する費用も見積もりが提出されていました。

 そこで、Xは、かかる見積もりを前提に、金融機関からの融資を受け、従前のテナントとの間で補償契約を締結するなどして、プロジェクトを進めましたが、契約中、一番高額な建築請負契約の段階に至って、Y担当者が、具体的な詳細見積書を、いつになっても提出しないことから、Xは、Yに、2ヶ月後までに具体的な見積もりを提出して請負契約を締結するとの約束をさせてスケジュール表にその趣旨を記載させました。

 しかし、その後2ヶ月経過時点で、震災の影響による建築価格の高騰により、当初見積価格での建築ができないという最終回答が、Yからなされたことから、Xは、別の建設会社と直接契約せざるを得ない状況になりました。

 その後、別の建設会社と契約して建物は建築され、別の会社との間でサブリース契約が締結されましたが、完成が遅れたことで、テナントへの補償金の支払いや、銀行への利息の支払いが余計にかかったことから、その賠償を求めたいとして当事務所にご相談に来られました。 。



<解決に至るまで>

 当事務所の弁護士がご依頼を受け、Yに対し、損害賠償の請求を求めたところ、Yは、弁護士を通じて、見積価格での受注が困難になったのは、建築価格の高騰によるものであって、Yに責任が無いなどと主張し、解決金として50万円の支払であれば応じるという回答をしてきました。

 そこで、話し合いによる解決が困難であったことから、訴訟を提起しました。
 訴訟では、いまだ請負契約は締結されていなかったことから、①この締結を拒否したことが、損害賠償の対象になるのか、②なるとしてその金額などが争点となりました。

 特に、大きな争点としては、①が争われ、価格の高騰により、当初見積価格での受注が困難になったというYの主張を、どのように崩すのかがポイントとなりました。結論的には、仮に建築価格が高騰したとしても、その時点までに契約を締結して、当初想定していた完成予定日までに、建物が完成されるという期待を持たせる内容の事情を細かく主張立証し、これに成功したことから、当初見積価格での受注が難しいと判断されてから、改めて契約内容を見直して、再度契約、施工したことで遅れた期間に相当する期間のテナント補償分等の賠償を1審判決は認めました

 Yは、控訴し、当方Xも、一部②の損害が否定された部分があったので控訴しましたが、控訴審では、Yから、Xに対し、契約締結を一方的に打ち切ったのはXであるとして、500万円の賠償を求める反訴が提起されました。

 控訴審では、当方は、反訴には同意しないとしたことから、相手方は、反訴を取り下げました。また、控訴審の裁判官からも、強い和解勧告があったことから、Xの1審判決の金額を若干増額した約200万円を和解金として支払う内容での和解が成立しました。
 


<解決のポイント>

・契約締結に至らないケースであっても、それまでの交渉の経緯によっては、一報当事者が、他方当事者に対して賠償義務を負担する可能性があります。

・控訴審での反訴は、相手方が同意しなければ、認められませんので、仮に反訴を考える場合、1審で反訴を提起しなければ、本件で当方が拒否したように、拒否されると別の訴訟を提起せざるを得ないという手間がかかるので注意が必要です。

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